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こけし と お正月飾り
ただ今お雛さまの売り出し中ですが、当店はお節句の品々を扱っている人形店なので、「お雛さま」や「五月人形」だけでなく、「羽子板・破魔弓」、そして「凧」や「木の独楽(こま)」も販売しています。そして、めずらしいのが「こけし」です。
なぜだか、今、欧米の方にこけしが人気です。どうやらネットのゲームかなにかでこけしキャラが出てくるようで、お子さんに頼まれてこけしを探しているという方が訪れます。こけしと独楽は同じ東北地方で作られていて、昔から扱っているのです。
お雛さま売り出しました!
すみません、当店のお雛さまはスーパーさんや一般の人形店さんで扱われているお雛さまとはちょっとイメージが違うかもしれません。でも、これが昔から変わらないお雛さまの姿です。こんな感じのお雛さまを141年間、名古屋のまん中で販売しています。
なにが違うのでしょう?まず、考え方。お雛さまはベビー用品や玩具ではなく、お嬢様が生涯、雛祭りをするときに必要なお飾りで、それを昔から「節句飾り」と呼んでいます。節句は五つあって、その中のひとつ、三月のお節句が雛祭りです。赤ちゃんのときに買われることが多いのでベビー用品のように思われる方もいらっしゃいますが、ベビーでいる期間はほんの数年。十数年もすれば立派な大人。そこから雛祭りのたびに飾る回数の方が圧倒的に多いのです。で、「なにが違うか」というと、まず、流行的でないことです。そして、大人になっても飾れる「品質」「上品さ」、ひとことで表現しようとするなら「伝統的」。当店では伝統的であることがなによりも大切だと考えています。
お飾りになる場所に応じて、大きな七段飾りから小さな立雛まで多くの種類を取り揃えています。粗製の量産品や外国製品(※)はありませんので、極端にお安いものはありませんが、良質なお雛さまをどこよりもお値打ちにお一人様ごとにおあつらえしています。
どうぞお気軽にご来店ください。
(※)素材(材木など)や一部パーツは除く。
たの・はる展
「たの・はる展」今日から開催です。どちらも「紙」を使った伝統的な工芸品。かわいらしい張子や、かっこいい和凧、遠州浜松の初節句の名入り大凧も展示します。
来年は辰年、龍の張子や凧も縁起物として喜ばれます。
3日はミニ和凧作り、4日はかわいい張子作りも体験できます。どうぞご参加ください。
節句のお話
10月13日、東急ホテル「しつらいセミナー」さんでお話をさせていただきました。女性ばかりでしたので、五節句と特にお雛さまのお話を中心に一時間半、みなさん熱心に聞いて下さいました。
画面はヒオカさんのご本です。彼女は現在各方面で活躍されていますが、貧困家庭で育った彼女は、ご自分の中に「足りない」ものがあるのではないかとの不安が常にあると言っておられます。金銭的、あるいはご家庭の事情などで色々な家族イベント、特に「節句行事」などは一番スルーされがちです。だからこそ、「できる」方にはしていただかないとこの国からなくなってしまうんじゃないかとさえ感じています。節句に関わらない伝統文化はひとつもないと言っても過言ではありません。高価なものをお求めいただくということではなく、節句の「行事」をしていただくということの意味を考えていただくきっかけになればと思っています。というと、難しそうですが、実際には例えば「おひな祭りは楽しい」というのが根本です。
人数、場所を問わず、どこででもお話させていただきます。お声掛けください。
Sechieの会「五節句展・花鳥風月」のお知らせ
10月27~29日、五節句展開催です。
瑞穂区 重要有形文化財「東山荘」にて。(入館無料)
お雛さま、季節のお人形、陶芸、絵画など渾身の
五節句展を開催します。
美しいお部屋とお庭に寸分のゆるぎなく収まる
伝統の美の数々・・・
日本に生まれてよかったなあ、と思えるひとときを
過ごしていただけると存じます。
お呈茶は1200円(事前予約が必要です)。
お呈茶予約はこちらから→https://forms.gle/ZLFgRTtkvKPG3xb39
人形供養
10月5日、毎年10月第一木曜日に、私たちの組合では、大須観音様で
人形供養を行わせていただいています。この地域では随一の荘厳かつ鄭重
な供養式です。途中、小雨もありましたが、境内での人形お焚き上げの時
には雲も切れ、青空ものぞきました。貫主さまみずから読経をされ、お元
気な様子にも安堵いたしました。
来年も同じ110月の第一木曜日に催しますので、近づきましたらご希望の
方は当店にお尋ねください。
破魔弓
お子様の初めてのお正月のお祝いに贈るのが破魔弓です。かつては男女
問わずでしたが、近世になっては女の子は羽子板飾りを贈ることがふつう
になりました。
もともと、破魔弓は右のように弓と矢を柱などに掛けるものでした。
それは、蜻蛉日記にも「帳に掛けたる小弓の矢をとりて~」とあるように、
お護りとして掛けられているものでした。当店もかつてはガラスケース入
の破魔弓飾を中心に製作していましたが、大きな震災の後、その危険性と
「かさばる」こと、ガラス代の高額なことなど考慮し、伝統にもとづいた
洗練されたデザインの破魔弓を中心に製作・販売をするように致しました。
左の円い方は、駿河千筋細工の職人さんにこの作品用に作っていただいて
います。弓は籐で巻いた竹製、矢羽根は天然の鳥の羽根です。
ガラスケース入りと比べると、ガラスがない分、かなりお値打ちにお求め
いただけます。
10月中旬ころには展示販売はじめます。どうぞご覧ください。
ちょっと佳いお雛さま
よいお雛さまのゆるがない条件に「様式」にはまっているかどうかがあります。
良いお雛さまはお子さまが「生涯」お飾りいただけるかどうかが最初の条件。つまり、はやりすたりのないデザインであることが第一です。
佳いお雛さまというと、「上品」であるかどうかが問われます。上品かどうかは「感じる」しか方法はありません。「おもちゃ」として飾るか、「節句」のしつらえとして飾るかで、考え方は違ってきます。おもちゃには上品かどうかを問う必要がありません。
以下は、大まかな説明ですので、興味のある方はお目通しください。お問い合わせいただければ、もっと詳しいご説明をさせていただきます。
男雛はゆったりと鷹揚に肩幅も広く堂々とした姿で、このお人形にはシワ(衣紋ひだ)も複雑につけてあります。下着、袴もすべて絹製。
女雛はなで肩です。十二単は枚数が多いのですっきり着せる技術が求められます。人形だからと言って特別に薄い布でできているわけではありません。そこをドテラの重ね着みたいにならないよう、自然に見える着付けの技が見せ所です。おまけにこのお雛さまの単(ひとえ)にはヒネリが施してあります。こちらもすべて絹製です。すべて絹というお雛さまはめったに見ることはできません。
人形の「格」に、雛道具を合わせることも重要です。
屏風はちゃんとした表装の六曲が二本そろったもの。手描きで絵が描かれています。
ぼんぼりは絹張に手描きの梅柄、台は菊の花を表した「菊燈」というかたちです。
桜橘は絹製。花びら一輪一輪の軸に絹糸が巻かれ、桜は東にあたる右側は満開、左側はつぼみを多く配してあります。
親王台(畳の台)はイ草の畳です。一般に使われている「和紙たたみ」は黄色の色目が強く、こうした人形には合いません。(和紙畳という商標名ですが、コウゾミツマタの和紙ではなく、パルプを樹脂加工、着色した畳です。)
雛道具は静岡製の本金蒔絵の三方、菱餅、高坏(たかつき)です。三方の口花は柳と桃がきちんと表現されています。
もうせんはお雛さまには必須です。赤い色は火の色、すべてを浄化する色で、魔除け厄除けの色です。ウール60%。
1m80cmの床の間に飾りましたが、1m40~50cmくらいあれば飾ることができます。ここまで揃えて120~130万円ほどです。
少しずつ、秋。
重陽も過ぎ、店内には少しずつお正月飾りやお雛さまが並びはじめました。
まだまだ暑い日が続きますが、それでも季節は忘れずにめぐってきます。あちこちで彼岸花も咲き始めました。
写真は、羽子板にお正月の掛物を添えたものです。
豊山のお正月らしい上品な羽子板に、手描きの屏風や松竹梅の可愛らしい三方を添えました。
7万5千円ほどでお求めいただけます。羽子板はたくさん種類があります。羽子板によって同様の飾り方で5万円ほどからお求めいただけます。
松竹梅の掛物はとても上品なものですが、5万円ほどのお品です。
まだ、勢ぞろいというわけにはいきません。10月に入ればお正月飾り、お雛さまともある程度そろいます。
どうぞお気軽にご覧ください。