端午の節句の三太郎
すなわち、桃太郎、金太郎、浦島太郎 ~ その一 ~
スマホのコマーシャルですっかり有名になった三人です。この中に実在の人物がひとりいます。それが金太郎です。平安時代、藤原道長(ふじわらのみちなが)のところに「頼光(らいこう)の部下、下毛野(しもつけの)の金時という若者が来た」と、道長の日記「御堂関白記」に書かれています。
頼光とは源頼光(みなもとのよりみつ)で、「大江山の酒呑童子(しゅてんどうじ)」や「土蜘蛛(つちぐも)退治」で有名な武士です。この頼光の四天王に金太郎、渡辺綱(わたなべのつな)、卜部季武(うらべのすえたけ)、碓井貞光(うすいさだみつ)がいます。金太郎と渡辺綱は有名ですが、他の二人はそれほどでもありません。
卜部季武は坂上田村麻呂の子孫といわれ、弓の名手でした。宝塚市にある松尾神社は坂上田村麻呂を御祭神とし、この季武が創建したといわれています。京極夏彦に「姑獲鳥(うぶめ)の夏」という作品がありますが、この小説本の姑獲鳥の表紙を見たとき思わず買ってしまいました。氏の最初の作品です(多分)。時代小説かと思ったら、現代のお話でした。姑獲鳥とは通りかかった人に子を抱けと押し付ける幽霊ですが、卜部季武は豪胆に姑獲鳥の子を抱いたまま家に帰ってしまいます。家で袖の中にいるはずの子を見たら葉っぱだったという話で、仲間の侍たちの度肝を抜いたというお話。
碓井貞光は槍や大鎌の名手とされていますが、それよりも群馬県四万(しま)温泉を発見したという方が有名かもしれません。
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