甲冑 兜 ~その八~
龍頭(たつがしら)
龍頭のついた兜
話が龍頭と鐘の話からだいぶそれてしまいました。
兜についている龍頭(たつがしら)には金属製のものや木彫りのものがあります。どちらが良いというものではありませんが、それぞれにできの良し悪しはあります。また、架空の生物なので様式が大切です。龍頭に用いる龍にはヒゲがついていなければなりません。龍の特徴のひとつです。また、龍頭の龍の尾の付近によく見ると剣のようなものがくっついています。これは、素戔嗚尊(すさのおのみこと)が退治した八岐大蛇(やまたのおろち)の尾から出てきた草薙剣(くさなぎのつるぎ)を表しているのではないかと南方熊楠(みながたくまぐす)は指摘しています。尾で巻いているものもありますが、本当は後ろ足のあたりから突き出ているようについている方が良いように思います。
龍の手は玉を持っています。その手の指は普通三本です。絵や欄間には四本や五本のものもありますが、指の本数に意味を持たせるよりも龍頭の場合には三本が合っているように思います。最近はこの玉はガラスや貴石のものが使われますが、以前は玉も木彫りで作られていました。これもどちらが良いというものではありません。むしろ、木彫りでこしらえる方がたいへんなように思えます。ダイヤモンドやエメラルドならば話は別ですが・・・
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