甲冑 兜 ~その十四~
唐獅子④
猩々
唐獅子と似たような姿のものに、「猩々(しょうじょう)」があります。こちらはライオンではなく、オランウータンが原型ではないかといわれています。ボルネオ島に生息しているので、南アジアの人々が目にし、絵で伝えられたりしていても不思議はありません。
中国揚子江の近くの金山というところに親孝行物の高風(こうふう)という若者が父親と住んでいました。なんとか親を楽にさせてやりたいと考えていると、市場で酒を売りなさいというお告げを夢で見ます。こうしてお酒を売り始めると、次第に生活も楽になり始めますが、その客の中に毎日お店に来て酒を飲むのにちっとも酔わない男がいるのに気が付きます。不思議に思った高風が名前を尋ねると、自分は猩々という海にすむものだと答えます。そこで、ある月夜の晩、高風が酒を用意して揚子江の川辺で待っていると、波の間から猩々が現れます。二人は酒を酌み交わしたあと、猩々は高風の親孝行をほめ、「酌(く)めどもも尽きぬ」酒壺を与えて水中に帰って行きました。猩々はお酒好きなので、能や人形でも髪の毛から衣裳まで赤い姿で表されます。
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