甲冑 兜 ~その十五~
敬老の日の由来
元正天皇の系図
前回の猩々のお話とよく似た「養老の滝」伝説というのがあります。一般にはこちらの方が知られています。親孝行の息子・源丞内(げんのじょうない)が病気の父親に元気をつけようと、山へ食べるものを採りに行くと、どこやらから良い匂いが漂ってきます。匂いをたどっていくと、滝つぼに出るのですがその滝の水がなんとお酒だったのです。これを酌んで父親に飲ませるとぐんぐん元気を取り戻したというお話です。岐阜県、養老の滝にまつわるお話です。この話には続きがあって、この噂を聞きつけたのが当時の元正天皇(女性)でした。丞内は天皇からお褒めのご褒美をいただき、以来家族ともども安楽に過ごすことができたということです。元正天皇は元明天皇(女性)の娘で、持統天皇(女性)から文武(男性)、元明と続いた皇統は元正でわが国最初の女系天皇として践祚します。そして、年号を「養老」と定めました。この日が九月十五日で、敬老の日の由来になったという説もあります。元正天皇はたいへん聡明で慈悲深い方と伝えられています(続日本紀)。
元正天皇からすると、お母さん(元明天皇)はお姉さん(持統天皇)の息子、つまり甥と結婚して生まれたことになります。お父さんの父親は天武天皇なので、単純に「女系天皇」と割り切ることはできません。
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