男雛の前にエプロンのようなものが下がっています。これは「平緒」といいます。「緒」というのは紐の意味で、平緒とは平たい紐ということになります。で、これは何のためのものかというと、「太刀を帯びる(佩く)」ためにあります。この緒に太刀を革紐などで取り付けて下げて腰に結び、その端を前にたらしているのです。太刀と一組になっていることもあり、太刀を帯びない時にはこの平緒は当然つけません。
ところが、このふたつの男雛にはどちらも太刀はついていません。雛人形の場合はそこまで固いことは言わずに、平緒がついている方が格好がいいのでこのように付けることがあります。お許しを。