五月人形の「重箱のスミ」④

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

~「太刀」と「刀」~

お節句の飾りの鎧や兜につきものの弓と太刀。この、太刀のお話です。

お節句に飾るのは、実は、「刀」ではなく「太刀」、その中でも「飾り太刀」と呼ばれる儀仗用のもので、いくさをするための刀とは少し違うものなのです。太刀は、刃を下にして革や紐で帯にぶら下げて着けます。「佩く(はく)」と言います。対して、刀は刃を上にして帯に「差し」ます。博物館などで展示するときも、これに従って太刀は刃を下にして展示します。

公家の文化に倣って、戦国時代以後でも元服や男子誕生のときなどに、この飾り太刀を奉納し、成長を祈願しました。

良いものの中には、鍔が分銅のかたちの「分銅鍔」、柄(つか・にぎり部)は紐を巻かず、鮫皮や金属、先端が鳥の頭のものもあります。節句飾りには「縁起」が大切です。チャンバラで使うような刀を飾るのはいかがなものかと思うことがあります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。