連載 重箱のスミ ③ 

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 5月5日にもお節句飾りのお客様がいらっしゃいました。息子さんがお孫さんと里帰りされているので一緒に選んで、月遅れでお節句をされるとのことです。その前日4日には4月28日にお生まれになったお孫さんのためにお求めにいらっしゃった方も・・・どちら様もとても楽しそうにお選びいただいて、こちらもうれしくなります。

連載 重箱のスミ ③

お内裏様の着物(袍)の柄 その二

 即位の礼など宮中の重要な儀式で着装されるときは、着付けにも厳格な作法があるそうです。宮中三殿(※)は宮中でももっとも神聖な場所とされ、ここに参るときには天皇皇后両陛下もこの作法に則らねばなりません。

 装束の下着や下半身の袴などは「次(つぎ)」=不浄、上着類は「清(きよ)」=清浄とされ、「次」のものには本人は触れることができません。つまり、自分では着ることができないので女官に着せてもらうことになります。装束を着る前に清浄な水で全身を清められた後、一枚ずつ着せ付けてもらいます。最終的にに衣紋者(えもんじゃ)が肩から袖などの衣紋(えもん)襞(ひだ)をつけてかたちを整えます。

 十二単も同様で、着るだけでもたいへんなご苦労があります。民間から皇室に入られた方にとって最初の関門となるようです。

(※)皇居吹上御苑にある賢所(かしこどころ)、皇霊殿(こうれいでん)、神殿(しんでん)の総称。

節句文化研究会では、こうした 面倒臭いけどなんだか楽しい節句のお話を出前しています。カルチャースクール、各種団体、学校などお気軽にお問合せください。→HP最後のお問い合わせメールからどうぞ

和文化の教室様、ロータリークラブ様、徳川美術館様、中学の授業などでご活用いただいています。

※この記事の無断引用は固くお断りします。

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