連載 重箱のスミ ⑦

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男雛の装束 魚袋と石帯 その二

 石帯(せきたい)とは不思議なもので、現代のベルトのように腰回りをぐるりと締めるわけではなく、腰の前半分は紐で、後ろ部分だけ革製、しかも二本ついています。束帯装束には「裾(きょ)」という、袍の下に着る着物、下襲(したがさね)の後ろ身頃(みごろ)が長く伸びた部分があり、これを引きずらないようにこの石帯に折りたたんで挟むという役割があります。石帯の名称は、この革の帯につけられている石によります。石といっても、メノウなどの貴石以外に犀(さい)の角や象牙なども位や用途に応じて使い分けられ、そのかたちにも円形=円鞆(まるとも)や、四角=巡方(じゅんぽう)などがあります。儀式などの軽重によってかたちに決まりがありました。  ーつづくー

巡方帯。透かし彫りの入った象牙製で、ちょっと特別なお雛さまです。

 

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