連載 重箱のスミ⑲

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女雛 ~その四~

 裳(も)の(二)

 源氏物語絵巻などを見ると、女性は多くの場合この唐衣や裳をつけていない姿で描かれています(源氏と会う時にはつけます)。普段は唐衣や裳をつけない状態で暮らしていて、この状態では五つ衣や表衣をまとめる帯はなく、小袖・袴の上に打掛のようにまとっているだけの姿です。改まった場合に唐衣や裳を付け、裳に付いている帯ではじめて衣裳を前で結びまとめることができるのです。裳と唐衣はこのように常にセットで用いられるため、裳についている帯は唐衣と同じ裂地(きじ)が用いられます。ですから、前から見ると唐衣の帯のように見えることになります。また、結び目が綺麗に見えるよう裏表とも同じ裂地が用いられますが、雛人形ではそのように作られることはほとんどありませんので悪しからず・・・   ~つづく~

結び方は人形独特のものもあります。中央に五色の糸を通してあります。

 

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