女雛 その六
裳(も) ~四~ 世界三大美女?
今回は「裳」とは関係ない余談です。もともと、この「重箱のスミ」はどうでもいい余談ばかりですけど、前項で小野小町にふれたのでちょっとだけ・・・
小野小町は世界三大美女(※)の一人と言われ、多くの男性たちから求愛されながら振り続けた話で有名です。そのことからか、彼女は膣欠損症ではないかといわれ、糸を通す穴のない針をマチ針(小町針)とよぶようになったという俗説もあります。日本中に「ここで亡くなった」という、最もたくさんのお墓があるといわれる伝説の美女です。
(※)世界三大美女
クレオパトラ、楊貴妃、小野小町と言われますが、一体だれがその三人を見たことがあるのでしょう。時代も千数百年の開きがあります。写真でもあれば比較できるのですが・・・この世界三大~という言い方も日本独特のもので、海外ではほとんど言われていません。
ちなみに、白居易(はっきょい・白楽天)の長恨歌に「傾城(けいせい)」という言葉が出てきます。国を傾けてしまうほど美しかった楊貴妃と玄宗皇帝のことを詠んでいます。ここから、歌舞伎では美しい花魁(おいらん)のことを傾城と呼ぶようになりました。演目にも「傾城阿波の鳴門」とか「傾城反魂香(はんごんこう)」などがありますが、ここでいう傾城は単なる遊女ではなく美しさもさることながら、高度な教養や茶華道俳句などの文化的な素養も兼ね備えたスーパーモデルのような存在として描かれます。ですから、花魁道中ではその姿を一目見ようと黒山の人だかりとなるわけです。 ~つづく~
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