連載 重箱のスミ ㉖

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女雛 その十一

  鳥毛立女屏風(とりげたちおんなびょうぶ・とりげりゅうじょびょうぶ)について

重箱のスミ ⑳でふれた鳥毛立女屏風について追加のご説明です。

 この屏風は、画工が顔、手足などを描き、衣服の線を薄墨で描いた上に工匠が羽毛を貼り付けて作られています。羽毛は日本産の雉(きじ)と山鳥が使われており、高さは四尺六寸(約一三八センチ)一扇の巾が一尺九寸(約五十七センチ)で、今はばらばらになっていますが元は六扇がつながったものだったそうです。DNA鑑定によって日本の鳥の羽毛で作られたことがわかり、それによって日本製であることが証明されたのです。まさに「へえ~」ですね。

 同じ時代に「鳥毛篆書屏風(とりげてんしょびょうぶ」と「鳥毛貼成文書(屏風(とりげてんせいもんじょびょうぶ)」という、文字の上に鳥毛がほどこされた屏風ががあり、いずれも正倉院の御物(ぎょぶつ)になっています。中国にはこうした画法の屏風はないようで、わが国独特の絵画工芸です。

 あとで屏風のあれこれに触れますが、このころからすでに屏風の基本形は六扇(六曲)でした。

鳥毛立女屏風の一部(写)

 

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