お雛様の重箱のスミ的考察⑨

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今回も、お雛様の良し悪しとは直接関係のない、重箱のスミ的な事柄です。男雛の襟の☓と+。装束の着付けには現在、高倉流と山科流があって、即位礼など宮中行事等の際の皇室の方々の装束を、衣紋に携わる方々がこの二流によって着付けられます。その流派が一目でわかるのがこの☓と+です。こうした装束は襟口を「トンボ」と呼ばれる紐をまるめたものをボタンのようにして留めるのですが、その紐をとめる綴糸が☓になっているのが高倉流、プラスが山科流です。そして、人形ですのでその綴糸自体がないものもあります。二つの流派には、他にもたくさんの違いがあります。

人形の良し悪しとは関係がないと書きましたが、有職にのっとってこしらえようとすると、とても重要な点でもあります。ここを☓にしたときは、他の点も高倉流に仕立てなければなりません。お雛様って、けっこう奥が深いものですね。

 

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