連載 重箱のスミ① 前書き

当店は5月5日まで営業しています。今日(5/3)、お誕生のお子様にとっても明後日は初節句。そんな方にもサービスをご提供するのがわたしたち「節句人形の専門店」です。ちょっとした部品や修理などもご遠慮なくお申し付け下さい。

当店は「節句文化研究会」を主宰しています。クリスマスやハロウィン、バレンタインの隆盛に反比例しつつある節句行事、みなさまに少しでも楽しみ、触れていただきたいと考えています。

このホームページでは、これから不定期ですが週一以上の間隔で「お節句の重箱のスミ的考察」を連載してまいります。

ほぼすべての伝統的な文化や工芸品にかかわる「お節句」、それを正面からではなく、斜め下からどうでもいいような、しかし、楽しい事柄を載せてまいります。

今日はその第一回目。前書きからです。

連載 重箱のスミ①

はじめに

 これからお話する事柄は、ほんとうにどうでもいいことや、そんなことに目くじら立てなくても、ということばかりです。でも、ちょっと斜めから見ていただくと、意外と面白いことのようにも思えてきます。知っていても何にもなりませんが、お雛さまを飾るとき、五月人形を片付けるとき、お子さまやお孫さんに「ねえ、知ってる?」とお話していただくと「へえ~」といっておめめがきらりとかがやきます。 (つづく)

端午の節句 しつらえのお手伝い

端午の節句も間近になりました。

ことしも、そこここで端午の節句のしつらえをお手伝いさせていただきます。

お出かけの際にお目に留まれば幸いです

 

◇茶房花千花さん

西区那古野1-18-6

期間:5月6日まで

 

◇八事山興正寺 茶室竹翠亭さん

昭和区八事本町78番地

期間:5月5日まで

3日と5日の午後には大西が在亭、ご案内いたします。

菖蒲蔓、虎の張子、兜、馬など

お節句の茶話会

4月23日、当店内にてお節句の茶話会を催しました。テーブル点前をお楽しみいただきながら、節句飾りの名品や珍しい飾り物、お気軽に節句の雰囲気をご家庭で楽しんでいただけるものなどをご覧いただきながら、「そうなんだ!」「知らんかった!」というお話を講師の方からいただきました。当店五代目もちょこっとお話に加わりながら和気あいあいの2時間ほどでした。

明日 27日は端午の節句飾りのワークショップを開催します。

ときどきこのようなお楽しみを催しますので、お気軽にご参加ください。

御家紋

端午の節句まであと三週間弱となりました。ご準備はおすみですか?

今月22日には「端午の節句のお香」のワークショップ、

27日には「端午の節句の茶話会」を催します。

くわしくはこのひとつ前のブログをご参照ください。

今日は、家紋のお話です。

鎧や兜飾りには、かならずその鎧や兜を収納するための「おひつ」がついています。最近は、それすらも「省略」することもありますが、男の子の節句で“省略”はあまりお勧めできません。

それはともかく、そのおひつには「家紋(御定紋)」をお描きすることができます。

家紋は数万種類あるといわれ、正確な数はわかりません。というのは、家紋は現在どこかに登録されるわけではなく、自由に創作することができるからです。ひとつのお家に家紋の他に女紋、ひとりずつのおしるしなどいくつもあることもあります。

若いママの中には、家紋が「家」を象徴するようで「家に嫁に来たわけではない」といって嫌われる方もいらっしゃいます。お気持ちはわからないではありませんが、アイルランドで家ごとにあるタータンチェックも家紋のひとつといえます。嫁ぎ先様の家紋がいやなら、新しくそのご家族で家紋をつくることもできます。前述のように家族一人ずつにおしるしをつけることも自由です。

また、好むと好まざるにかかわらず、お葬式のときなど家紋を問われる場面はたくさんあります。世界中に家紋に類するものは存在しますので、もう少し気軽に利用するとすてきなように思います。

で、兜のおひつの家紋です。珍しい家紋をお入れしました。当店は手描きでお入れしますので、あらゆる御家紋をお入れすることができます。節句飾りがいっそう引き立ちます。

ちなみに、うしろの屏風も画家による菖蒲絵が描かれています。端午の節句=菖蒲の節句です。

楽しいお節句を!!

「端午の節句 茶話会」と「お香のワークショップ」のお知らせ

 

端午の節句が近づいてきました。

「端午の節句って、なんだっけ?」という方も多いと思います。いえいえ、お節句もいろいろありますが、中でも一番古くからあるといわれているのが、この端午の節句なのです。紀元前数百年前からあることがわかっています。

というと、かたいお話かと思わるでしょうが、2千年以上も続いているというのは「楽しいから」に違いありません。あの清少納言さんも1千年前に「節句は端午がいちばんよ!」と断言しておられます。

そんな楽しい「茶話会」と、端午にちなんだ「お香のワークショップ」を開催します。

どうぞご参加ください。

🔶 茶話会 4月22日(月) 10時~12時

会費:2000円(茶菓付)

🔶 お香のワークショップ

4月27日(土) 午前の部 10時より

午後の部 13時より

会費:7000円(お香はお持ち帰りいただきます)

※お申込みは 大西人形本店まで

電話かメールでお願い致します。

電話 052(231)4104

五月人形 人形屋の楽しみ

二つの写真、人形と兜は同じものですが、まわりのものによってずいぶん印象が変わります。

お客様ごとにこうしてコーディネートを一緒に考えるのが人形屋のしごとのひとつです。セットにしておいて、「お好きなものを選んでください」というのは楽なのですが、ご家族みなさまがこんな風に考えてお選びになったという「ものがたり」を五月人形に添えていただきたいと思っています。また、同じ「兜」でも、屏風など周囲のお道具類で価格や飾るスペースもずいぶん違ってきます。

まず、中心となる鎧・兜やお人形、それをどんな風に飾るか、これは洋服やアクセサリーのコーディネートを考えるときと同じ感覚の楽しい作業です(私たちにとっても・・)。

五月人形

ただ今、五月人形の展示販売の真っ最中です。

五月人形をお考えの方にご案内です。

【一般的なことがら】

①お子様の母方のご実家様が購入されるのが一般的です。もちろん、父方の親御様やお子様のパパママが購入される場合もございます。(便宜上、お子様のご両親をパパママと呼ばせていただきます。)4月中旬くらいまでに贈られるとよろしいでしょう。あまり遅いと、父方様が心配をされます。

②父方様がお節句のお祝いを催します(一般論です)。父方様の節句のお祝いですので、どんな五月人形を贈ったらいいのか、購入の際に少し気を付けた方が良い場合があります。母方のご両親様もご招待されますが、五月人形を贈られている場合は特にお祝いの品などを持参する必要はありません。ご親戚、ご友人などはお節句のお祝いの品を持っていかれるとよろしいでしょう。

③お選びになるとき、どこに飾るか、は大変重要ですが、絶対的条件ではありません。将来お家を建てるとか、少し広いお家にかわる計画のある方は最初から小さなセットを購入されると、物足りないことになる場合があります。最も大切なのは「本体」ですので、本体は吟味して選び、屏風や台がかさばる場合はお家がかわってから購入するという選択肢もあります。パパの五月人形の屏風や弓太刀を使うこともできます。

④大人になってもお節句の飾りに用いるものですので、流行色の強いものやベビー用品のようなものは避けられるのが賢明です。(ときどき、小学校に入るまでとか、飾る期間についていろいろ言う方がいらっしゃいますが、「お子様の生涯」にわたってお節句のしつらえとして飾るものです。これは、節句飾りの基本中の基本です。)

⑤従って、「様式」にのっとったお飾りをお選びになるのが無難です。節句行事は伝統的な文化ですので、一般的な様式から外れると意味をなさなくなります。この点について、お店によって考え方はまったく異なります。ネット情報はこうした点に関してあまり役に立ちません(この文章もネット情報ですが(笑))。

⑥写真のご説明。最初のは小さな兜ですが、かなり手の込んだものです。櫃(ひつ)にはムクの黒檀材を用いています。2番目は豪勢な「座敷幟」を背にした本格的な鎧飾りです。旗類にはご両家の御家紋が入ります。3番目は一般的な兜飾りですが、節句のお供えができるよう三宝などが添えられています。4番目は桃太郎の節句飾り。小さなものですが、名工の作ですので存在感のあるお飾りです。最後のは「御家紋」の入った兜櫃です。手描きでお描きしますので、数万種類あるといわれる家紋をお入れすることができます。お子様の紋をお入れします。

 

以上、反発されることが予想されることがらもあえて書かせていただきました。特に①、②の部分はママが中心になってお選びになる場合、「家に嫁いだわけではない」とご不興をかうことがあります。でも、現実には毎年多くのご両家様から相談をお受けする内容です。かなり勇気を出して書いています。

お節句のお祝い、特に初節句のお祝いはパパママご両家のご両親様にとっても、きわめて大切なお祝いです。親子ご家族、ご両家の絆、そしてお子様の健やかなご成長のために和やかなお節句祝をなさっていただきますよう、心からのご注意を申し上げました。

行ってきました

今年も徳川美術館に行ってきました。

ただ今、当店では五月人形の売り出し真っ最中ですが、ここでは月遅れ4月3日まで雛まつり展を開催しています。

玄関横には端午の節句を思わせる豪勢な三つ葉葵の大のぼり。中へ入ると当店の大きなお雛さまがお出迎えします。

館内は徳川家ゆかりのお雛さま、つまり、わが国最高峰のお雛さまがこれでもかとばかりに飾られています。今年から写真撮影が一部許可されたので撮りまくり。狆を曳いている官女さんとか、いくつもぶら下げられている薬玉などにも目がいきます。こういうものをお客様にご提供できないものかと、いつも考えています。

女子マラソン ご注意

ただ今、店内は五月人形でいっぱいです。3月9日、10日はお求めの方がたくさんいらっしゃいますが、10日の日曜にはウィメンズマラソンで名古屋が東西に分断されます。

当店のすぐ東を南北に走る伏見通りは10時過ぎから午後3時過ぎまで横断することができません。ご注意ください。

西から(名古屋駅方面)は支障なくご来店いただけます。堀川の五条橋(円頓寺商店街の東端)を東入りしていただければ当店まで来られます。途中にマラソン係員がいますが、大西人形と言っていただければ侵入できます。

大須より南は午後から東西の行き来ができるようです。堀川ぞいに北上していただければ来られます。

マラソンは大好きですが、長時間の交通遮断は困りもの・・・ご一考いただけるといいのですが。

幸せなお雛さま

今日は雛まつりです。お子さまにとってもご家族の皆さまにとってもうれしい楽しいお節句です。

今回はそんな幸せなご家族と、幸せなお雛さまのお話。

写真は数年前、市内の八十過ぎの奥さまから「お預りした」お雛さまです。近々、息子さまのくらすヨーロッパに移住するので、さすがに持っていくことができないので「預かってほしい」とのこと(もちろん、外国語ぺらぺらです😛)。博物館などへの依頼も考えたけど、そんなに大層なものでもないので当店で預かってほしい、ときどき皆さんに見ていただければうれしい、というご依頼です。日本に戻って来られるご予定は?とうかがうと、たぶん帰って来ることはない、けれど預かってほしいというご依頼です。

拝見したら、とても良いお雛さま。そしてなによりも驚いたのが、小さな小さな部品のひとつひとつまで実に大切にされていて、何一つ紛失や破損がないこと。聞けば、奥様が誕生したとき、おじいさまが喜んで京都まで行っていろいろ探して歩いて贈ってくれたものだということです。これを飾るのが毎年の楽しみだったとおっしゃられ、お幸せな暮らしぶりが想像されます。

そして、なによりこのお雛さま自身も幸せでした。

こうした、お雛さまにまつわる「物語」も是非お嬢さんに話してあげて下さい。それが、お嬢さまの成長過程での自信や大げさに言えばアイデンティティの確立にきっと役立ちます。

今日は雛まつりですが、お嬢さまとご家族が幸せであることがお雛さまの願いです。その幸せとともに皆さまのお雛さまも「幸せなお雛さま」になっていくように感じています。