当店のひな人形についての考え方
●お雛様はおもちゃやクリスマスツリーなどの飾り物ではありません。節句をお祝いするお道具であり、調度品です。五十年、百年と飾っていただけるものをお選び下さい。
●お飾りになるお部屋の家具や調度品との釣り合いを考えてください。これは販売員にはできない作業です。
●作り方がどうとか、刺繍や手描きなど、お雛様の本質とは直接関係ないことにとらわれず、全体の雰囲気や品格を第一にお考えください。
です。なにもご存じなくて当たり前、質問して恥ずかしいことは何一つありません。
●お飾りになるお部屋の家具や調度品との釣り合いを考えてください。これは販売員にはできない作業です。
●作り方がどうとか、刺繍や手描きなど、お雛様の本質とは直接関係ないことにとらわれず、全体の雰囲気や品格を第一にお考えください。
です。なにもご存じなくて当たり前、質問して恥ずかしいことは何一つありません。
ひな人形についての詳しいご説明
お顔
「お雛様は顔が命」といわれるお店もありますが、顔だけが命ではありません。往々にしてお客様の選ばれる「いい顔」と、私たちプロのいう「いい顔」は一致しません。
また、私たちは顔だけで判断することはなく、「この装束に合う顔」というふうに判断します。つまり、全体の中でしっくりくる顔が良いお顔ということになります。なるべく無表情で主張しない顔が良いという人形作家もいるように、あくまで全体の中でご覧いただくと良いかと思います。練り頭(桐塑頭)が良いとか、石膏頭が良いというのは論外で、出来上がりの表情や品(ひん)で選ぶべきものです。
川瀬猪山
川瀬健山
川瀬健山
熊倉聖祥(石膏)
熊倉聖祥(石膏)
石川鈞(石膏)
石川鈞(石膏)
おぼこ・石川鈞(石膏)
おぼこ・石川鈞(石膏)
次郎左衛門雛(石膏)
次郎左衞門雛(石膏)
松崎幸一光(桐塑)
松崎幸一光(桐塑)
川瀬猪山・官女(石膏)
装束
大切なのは色や柄も含めて、全体のバランスや雰囲気です。かなり高額なお人形でも「デッサンが狂っている」ものをよく見かけます。高級な材料や色々な手間を掛けて高額にはなっていますが、一番大切な基本がわからないと意味がありません。 また、「知識」も大切です。平安時代から続く装束を着ていますので、いくら人形でも最低限の決まり事を知らずに作られているとお客様が恥をかくことになります。
顕著な例では、お雛様の腰をきれいなロープで巻いたものを見たことがあります。 装束にロープのような紐を巻くことはありえないだけでなく、昔からこれは罪人のしるしとして忌み嫌われていることです。縁起物の最たるもののお雛さまとして、これは知らなかったではすまないことですが、知識・経験が少ないことにより起きてしまう過ちです。装束にはとてもたくさんの決まり事がありますが、お人形だからといって、華やかさや可愛らしさを表現するのに許されることと、してはならないことがあります。 ある程度の知識は絶対に必要なのですが、軽視されがちな部分です。
屏風や台
お屏風は六曲一双(六曲の屏風二本で一組)が基本です。屏風が折れ曲がっている分だけ飾るスペースをとりますので、三曲のものも最近はよく使われますが、きちんと表装したものと、ベニヤ板に布や紙を貼ったものがあります。 上質の和紙を用いて表装したものですと、流行もなく、直しなども何十年後でも可能です。台は必要かどうか、お飾りになる場所や好みによります。
かさばるものですので、よくお考えいただいた上でなるべく流行のなさそうなものをお勧めします。屏風や台は面積の大きな物ですので、お部屋の雰囲気に合うかどうかよくお考え下さい。大切なのはお選びになった 「お雛様をきれいに見せる」 かどうかです。屏風に合うお雛様ではなく、お雛様に合う屏風で、かつ、お部屋の雰囲気をこわさないものであることです。
お道具や桜橘
屏風や台と同じで、お雛様がきれいに見えるものであることが大切です。 その上で、「よく見たらすごくきれい」とか「こんなところまで手が込んでいる」ものですと、毎年飾るのが楽しくなります。
壊れたり、部品をなくしたりすることが多いものですので、修理などのことを考えるとなるべく流行のないものを選ぶことが大切です。
お顔
一般のお店に行くと「親王飾り」とか「三段、七段飾り」のように、お雛さまが台や段の上にセットされて販売されています。これは、問屋やメーカーが販売しやすいようにセットに組んでいるのであって、必ずしもセットで買わねばならないものではありません。お客様によって飾る場所やご事情は異なります。お雛さまとして最低限必要なのは男雛・女雛の二つのお人形だけです。あとはこれをお家ごとにどのようにお飾りになるかですので、「掛軸の前に飾るので屏風は不要」とか、「サイドボードの上に五人囃子や御所車などお道具も横に全部並べたい」など飾り方は千差万別です。
また、「三年後に家を建てるが、今は部屋が狭いのでとりあえずお雛さまだけ買って、あとで屏風や官女などを揃える」という方もいらっしゃいます。ご遠慮なくご事情やご要望をご相談下さい。